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【読んだ】声の物語 VOX

アメリカのあらゆる女性から、言葉が奪われた―。大統領の強制的な政策のもと、すべての女性の手首に、一日100語以上を喋ると強い電流が流れるワードカウンターがつけられた。女性たちは日常生活を制限され、出国することも禁じられた。認知言語学者だったジーンは、夫、息子たち、幼い娘とともに暮らしていたが、ある日彼女の前に大統領の側近たちが現れる。かつて失語症の研究をしていた彼女に、事故で脳に損傷を負った大統領の兄を治療する研究を、ある条件と引き換えに依頼したいというのだが…。“21世紀版『侍女の物語』”と激賞を浴びた、いま、この時代に読むべきディストピアSF。

冒頭の人物紹介で、〔パトリック:ジーンの夫〕〔ロレンツォ:ジーンの恋人〕と読んだ時点で、「はあ?」と言った。

夫パトリックとのセックスシーンがあるのに、ロレンツォとの子を妊娠して、夫の子ではないと断言してたり、何かしらの出来事をぼやかした表現をしてたり(スティーブンはジュリアに何をしたの?「チクって」大ごとにして、良心が痛んで助けに行ったの?)、物語の点と点をつなげるのが面倒くさい。

男性優位の世界で戦うヒロインなら、情熱的な恋人との不倫も許されるのか。

家族を捨て、浮気相手と出国するか、愛のない結婚生活を続けるのか。

ディストピアでありながら、ハーレクイン小説のような甘さ。

すでに4人の子供を抱えて、更に浮気相手の子を妊娠(43歳)し、「こんな世界に生まれる赤ん坊」を憂うヒロイン。

やってる事と言ってる事のつじつまが合わないでしょ。浮気相手との激烈なセックスシーンとかうっとうしいな。

そんなこんなで、「女性から言葉を奪う」という設定と物語の進行、結末には興味はあるものの、登場人物には全く感情移入出来なかった。

何もかも説得力がなかった。

読んでいる間全然楽しくなかった。