全米図書賞(翻訳文学部門)受賞!
大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が心配でならない。無名は「献灯使」として日本から旅立つ運命に。
大きな反響を呼んだ表題作のほか、震災後文学の頂点とも言える全5編を収録。
全米図書賞を獲った日本の作品!
全米とは全てのアメリカ!幼い頃、一番最初に知った外国は、アメリカ!初海外旅行もアメリカ!
そんな大好きなアメリカが与えた作品なんだから、面白いに違いない。ディストピア物も好きだし、早く読みたい!と楽しみだったんだ。
死ねない元気な老人と虚弱すぎる子ども、と鎖国と汚染された世界。「何があったのかな、何が起きるのかな」とワクワクしながら読み進めた。
しかし、「さあ、さあ!」とバッチコイ状態で展開を待つのに、読み進めるうちに、だんだんワクワクが醒めていく。
私は、「この世界では何かしらがあったんですよ」と、匂わすだけの物語は好きじゃない。
この献灯使は、世界の状態も何もかも、表題の「献灯使」すら、何のことなのか、物語の中では匂わすだけ!はっきり教えてくれない。夏目漱石の夢十夜みたいに訳が分からない。
私の読解力の問題か、
隣で夫が「アド街っく天国」を観てアレコレ話しかけてきたせいか。
文章の言葉遊びもかなり多いので、「どうやって英語に訳されたのかな」とか、
「ユーモアがあり暗くない」という感想を、多分アマゾンで読んだけど、「私にとってみれば、気味悪いだけなんですけど」とか、ぼんやり考えているうちにお話は終わった。
賞を与えたアメリカの気持ちがわからなくて残念だ。
誰か教えて下さい、結局無名ってどうなったんですか。