ピラネージは海に囲まれた神殿を思わせる、巨大な建造物の中で孤独に暮らしていた。他にこの世界にいるのは、たまに話をする学者だけ。だが、ある日見知らぬ老人に出会ったことから、彼は自分が何者で、なぜこの奇妙な世界にいるのかを疑問に思い、失われた記憶を探り始める。数々の賞を総なめにした『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』の著者が、異世界とは何か、人はなぜ異世界に惹かれるのかという根源的な謎に挑む傑作。
この世界は一体どういう理屈なんだろう。と考えたが、あとがきで「衣装だんすの奥を探った記憶のある方は」と読み、そうか、ファンタジーだものな、と深く考えることはやめた。
館を愛し館に愛された男、彼がそこを去り、無垢が解かれることに悲しさやら寂しさやらを感じたが、
行ったり来たり出来るようになってよかった。
