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【雑記】痔の日帰り手術体験

はじめに

長らく排便時の悩みであった、痔の手術を受けた。

妊娠出産を経て、いぼ痔主になったのだが、指で戻せるし痛くなかった。

しかし昨年あたりから痛みと出血が出現し、市販薬を排便のたびに使用。

それでも良くならない。排便のたびに、軟膏を塗って痛みをこらえながら痔を戻す。

指には血が付着し、ズンズンヒリヒリが数時間続く。

激痛ではないし我慢できるが、かなりのストレスとなっていた。

受診は恥ずかしいのと面倒くさいのでしていなかったのだが、

ストレスがそれらの感情を超え、ついに肛門科のあるクリニックへ受診した。

 評判の高いクリニックへ

受診先は、痔の治療に関して、雑誌にも載るような評判の高いクリニックだ。

そんなクリニックが、近所にあってラッキーだな、と思っていたが、

注入型の座薬を処方されてもとくに症状に変化はなく。

いぼ痔に加え、切れ痔もあるって。「あとは手術という方法もある」と主治医が。

「手術・・!怖い!」と思い即答はできなかったが、

もはや私の痔は、薬では治まらないのだ。これからも痔と共に歩む人生か。そんなの嫌だ、すっきりしたい。せっかく評判のクリニックにかかっているのだし・・と悶々と悩む日々。

そして通院を始めて三ヶ月め、ついに手術を決意した。

結紮切除術。日帰り手術だ。

そして手術当日、絶飲食の空きっ腹を抱えクリニックへ。

ちなみに、生理予定日と重なったのだけど、生理が来ても、痔の手術には何ら影響がないそうだ。

 

剃毛と浣腸

剃毛はどうってことないが、浣腸は出産以来の経験。

注入の間(120ml)、お尻の穴をきゅっと閉じておくように指示された。

ゆーっくり注入されているように感じ、きゅっと閉じ続けるのが大変だった。

5~10分我慢してからトイレへ行くように。

我慢できなければ、すぐ行っちゃって良いと言われた。

我慢は大変じゃなかった。7分くらい我慢してからトイレへ行った。

 

大腸内視鏡検査

念のため腫瘍などが無いかを確認するため。

お尻の部分にしつけ糸がついた、ディスポの検査衣を履く。紺色でちょうちんブルマみたい。

大腸の入り口だけ見るということで、とくに麻酔などの処置はない。

カメラのついた管が、肛門から直腸を通り、大腸へ。下腹部をうごめく感覚。

うごめくたびに、便をしたいような痛みが、下腹にずんどこくる。

カメラの視界を良くするために、空気や水が発射。

大腸が膨張させられ、ガスが溜まる。

猛烈な不快感だが、我慢できないわけでもない。でも浣腸よりつらい。

「早く終わってくれ」と目を閉じてしのぐ。

ものすごく長い時間に感じられたが、きっと3分くらい。

 

腰椎麻酔

お尻に穴が開いた術衣に着替える。

点滴が始まる。

手術台に端座位となり背を丸めた姿勢になる。

腰に針がちくっと刺さる感覚と、神経をぐりぐり押される感覚が。

腰痛の感覚に近い。ぎっくり腰に似ているが、ぎっくり腰のような衝撃はない。我慢できる痛み。

お尻に暖かい感覚がやってきて、麻酔が効いてきたところで手術台にうつ伏せになる。

と、同時に大腸内視鏡検査で生じたガスがブーーーと出た。麻酔のせいか制御できず、恥ずかしい。

看護師さんたちが「当たり前だから!もっとだしていいですよ!」と言ってくれたのが救い。

 

手術本番

12時開始。

尻たぶを両側からガムテープ(のようなもの?見えないからわからない)で広げ、

術野が(要は肛門が)照明のもとに晒される。

もう恥ずかしさなどなくなっていた。

麻酔が効いているので痛くない。

引っ張ったり、ちょん切ったり、ガチャガチャされたりする感覚はある。

肛門よりも、同一体位を続けていることがつらい。

うつ伏せに、バンザイ状態の腕と首が痛くて何度か位置を変えながらしのぐが、

点滴、モニター(心電図、血圧計、サチュレーション)などのルート・コード類がじゃまをし動かしにくい。

血圧計は5分感覚で腕を締め付ける。おそらく200まで締める設定だ。痛い。

160くらいでいいんじゃない?と思うが、血圧を読み上げる看護師の声が、150だとか155 だとか言うので、ずいぶん高くなっているな、と思った。

手術台にうつ伏せで、腕に変な力や圧が掛かっているせいもあるんじゃないか。

20~30分くらいで終わる。

取り出したるいぼ痔は、生たこのぶよぶよした吸盤部分みたい。5cm×3cmくらいか。

切れ痔は潰瘍化し、いぼ痔は主治医の想定より大きかったとのこと。

合計3か所、かなり深く切り取り出血も多かったので、麻酔が切れた後の痛みを覚悟しておくように言われる。

 

手術直後

ゆっくり起きて、と言われるが、大丈夫なので普通に起き上がる。

足も動くし、下半身の脱力感もない。

歩けるのにな、と思うが、車いすで部屋に運ばれる。

ベッドに横になる。暖房は入っている。

それなのに、この部屋、こんなに寒かったっけ?とガタガタ震える。

緊張?興奮?点滴や麻酔の影響?布団をかぶってじっとしているうちに治まる。

 

手術後初排尿

13時30分、尿意。血圧は120台で問題なし。看護師さん同伴でトイレへ。

肛門部分のガーゼによる違和感(尿が出たらガーゼに染みるんじゃないかという心配)と、出産直後に似た、尻全体を覆うヒリヒリぼこぼこ感。

そしておそらく麻酔の影響で、なかなか出ない。

「出せないかもしれない」と思ったが、2分ほど一点を見つめ尿道口に集中していると、出た。

そしてやっぱりガーゼに尿が染みた。と同時に貧血を起こした。

かつて、出産直後も、盲腸の手術後も、初めのトイレで貧血を起こしたので、そういう体質なのかもしれない。

いずれも便座にじっとしていると数分で治まった。そして今回も数分で治まった。

ベッドに戻って血圧を測ると90まで下がっていた。

トイレではもっと低かったんだろう。

尿のついたガーゼを換えてもらった。その後はベッドでウトウトして過ごす。

肛門はヒリヒリ感と内側から押されているような感覚がある。

 

手術後当日診察

16時30分術後診察。

肛門は痛いが、我慢できる。ガーゼがこすれて違和感と不快感。

椅子に片尻だけのせて座る。

動きのたびに「いてててて」と言う。

これから1週間、毎日診察に来るように言われ、迎えに来た家族とともに帰る。

痛み止め、胃薬、便を柔らかくする薬、内服の痔の薬、座薬が処方される。

 

痔の日帰り手術費用 

事前に確認した時は「症状によるが、多くみて5万円」と言われた。

実際にかかった金額は約3万1千円(3割負担)。

+薬局での処方代約1200円(3割負担)。

 

術後1日目〜7日

出血と粘液に対しては、生理用ナプキンで対応可能だった。肛門寄りに装着。サイズは普通の日用で十分。

痛み止めを1日三回と、夜中に目が覚めた時に1回、計4回飲む。

痛みは、ナプキンやおむつでかぶれたような痛さの強いやつ。

その痛みで目が覚めるが、痛み止めを飲むと治まるので、まあまあ眠れる。

傷の割に痛がらないので「女性はやっぱり強いなあ」と主治医が。

(「先生の腕が良いからですよ」と言えばよかった)

男性は「痛くてたまらない」と悶えて来るそうです。

創部は経過良好。それでも、それなりに痛いし、へっぴり腰で、歩き方ものろい。

すれ違う人、見かける人の尻を想像し「痛くないっていいな」とうらやましくなる。

うらやましがりながら、肛門の痛みは日に日によくなる。痛み止めも、痛い時だけに飲むようになる。平常時は。

 

術後の排便~排便の前に風呂を沸かしておくこと~

ドリフのズンドコ節

便意が起こると、ズンズンズンズンズンドコと内側から鈍い痛みがやってくる。

肛門の傷の痛みが怖くて、咄嗟に「出したくない!」と力が入るが、

下剤のせいで(おかげで)猛烈ないきみ感と共に突破される。

肛門最前線に銃乱射。まるでノルマンディー上陸作戦。でも想定より痛くない。

ピリピリピリッとした痛みのあとは、

ぴーひゃらぴーひゃら、どんどんどん、祭囃子のような拍動と痛み。

肛門に擦り傷が出来たような感覚と、かぶれのひどい感覚。

出る瞬間より、出た後のほうが痛い。

ビデの弱で洗って、ペーパーでそうっと押さえて拭いても、ほとんど拭ききれない。

そして痛い。ぴーひゃらぴーひゃらと、肛門の祭りは盛り上がる。

速攻でお風呂へ行き、湯船に入ると痛みがなくなる。お祭り騒ぎが沈静化。そして汚れもきれいになる。

でも湯船から出るとまた痛くなるので、痛み止めが効くまでやり過ごすしかない。

痛いけど、日常生活はのろのろと送ることはできる。

排便の前に風呂を沸かしておくこと。

ツムラのくすり湯バスハーブ 210ml

ツムラのくすり湯バスハーブ 210ml

 

 ↑創部に良さそうだと考え、湯船にはこれを使用した。効能:腰痛、荒れ性、冷え症、神経痛、リウマチ、肩こり、痔、疲労回復、あせも、しっしん、ひび、あかぎれ、にきび、ただれ

 

腰椎麻酔による頭痛

肛門もそれなりに痛いが、こちらの方が辛かった。

腰椎麻酔で穿刺した部分から髄液が漏れ出て、脳を満たしている髄液が減ることによる頭痛らしい。なんて怖い。

眉間からおでこにかけて眩暈を伴う頭痛に苦しむ。

寝ていると楽なので、ほぼ1日寝て過ごす。

痛みが出て3日目に、ステロイド入りの点滴を打ったら治まった。

 

職場復帰について

大事をとって2週間休みをもらった。

実際に体験してみて、日帰り手術だからと言って、翌日に復帰なんて絶対に無理だ!とつくづく思った。

1週間ならなんとかなるかもしれないが、それでも痛みと違和感は弱まりながらも継続中。薄い出血や粘液の排出もある。

意識の7割がまだ肛門にあるので、仕事に集中は出来ないと思う。

 

終わりのない痛みじゃない

術後はこのように痛みで苦しい思いをするんだけど、いつか治まるというのが救い。

痔が発生した当初は、「この先一生このままか、もっとひどくなるのか」と憂鬱だった。先の見えない不安。

先の見えない不安と共存するより、切ってすっきりする方が私はよかった。

 

術後2ヶ月め

超快適。肛門の存在を忘れるほどに。

しかし、屁の制御が以前よりゆるくなった。