みたいよみたいみたよんだ

みたりよんだりきいたりしたものをいうブログ

【読んだ】海岸の女たち

「あなた、父親になるのよ―」それを伝えたくて、わたしは単身ニューヨークからパリへ飛んだ。取材に行ったフリージャーナリストの夫の連絡が途絶えて十日あまり。夫からの手紙には、謎めいた写真が保存されたディスクが。ただの舞台美術家だったわたしは、異邦の地で一人、底知れぬ闇と対峙することに―。世界十六ヵ国で翻訳された、北欧ミステリの新女王のデビュー作!

主人公の素人探偵に付き合わされて、退屈だった。なんで身分を偽る必要があったのかな。

そして、移民やら人身売買に関する、底しれぬ闇は重すぎた。

全体像がなんとなく掴め始めてからは、スリリングに読めた。

 

 

 

【読んだ】星の子

ちひろは、中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく…。野間文芸新人賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。

1時間程度で読めてしまうくらい、すっきりとした文章なのに、情景がものすごく伝わる。

面白かった!

ちひろの面喰いさや、豪華な仕出し弁当への執着、なべちゃんとのやりとりなどなど、かなりキャラクターも愉快。

ずっと読み続けたかったけど、ぶつっと終わった。

すべては両親の、ちひろへの愛から始まった信仰心。

ナニカヘンダと思っても、真っ向から否定することは、自身の存在を脅かすことになっちゃうよなー、と読みながらぐるぐるした。

お父さんとお母さんは、一体何を思い、最後のシーンに至っているんだろうか。

叔父さん叔母さんとどんな話し合いがあったんだろう。

ちひろ目線で進む物語は、生活に憂う様子はなく、(かっぱ事件はあったものの)いい友達に恵まれ、それなりに楽しそうな暮らしぶりに見えるが、

叔父さん叔母さんいとこには、そうは見えてなさそう。

視点が変わると、がらりと違うお話なるんだろうな。

 

 

【読んだ】アンダー・ザ・ドーム

メイン州の小さな町チェスターズミル。人口およそ二〇〇〇人。その町は突如、透明の障壁に囲まれた。上方は高空に達し、下方は地下深くまで及ぶ。“ドーム”と呼ばれるようになった障壁は、わずかな空気と水と電波を通すのみ。パニックのなかで、命を落とす者が連続する。そこで動き出すのは町を牛耳る男ビッグ・ジム・レニー。警察力を掌握したビッグ・ジムは混乱に乗じて恐怖政治を開始した。“ドーム”のなかで一触即発の内圧が高まりはじめる―。アクセル踏みっぱなしの小説を書く―そう決意して、“恐怖の帝王”キングが、その才能と筆力のすべテを恐怖と緊迫のために叩き込み、全一四〇〇ページを一気に駆け抜ける。巨匠の新たなる代表作、誕生。

市立図書館から、近所の公民館に予約取り寄せして、借りに行って、びっくりした。

でけえ!分厚い!

文庫本サイズを想像してたら、とんでもないのが来たな、と思いながら読み始めた。

まずは、ビック・ジムとそれを囲む輩どもに腹が立って仕方がない上巻。

大量のプロパンガスという伏線に、嫌な予感しかしない下巻。そしてお得意の阿鼻叫喚。

キングは容赦ないなあ、と思った。

容赦ないよ。犬にも子どもにも容赦ないよ。