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【読んだ】アイダホ

アイダホの山中に住む音楽教師アンは、夫ウエイドのかつての家族のことを何年も思い続けている。9年前、一家が薪を取りに出かけた山で、ウエイドの前妻ジェニーが末娘メイを手にかけ、上の娘ジューンはその瞬間を目撃、ショックで森に逃げこみ失踪した。長女の行方を必死に捜し続けてきたのに、最近のウエイドは若年性認知症の影響で、事件のことも娘がいたこともわからないときがある。ジェニーは、罰を受けること以外、何も望まず誰とも交わらずに服役してきたが、新たな同房者とあることを機にぎごちないやりとりが始まる。アンは夫のいまだ癒えぬ心に寄り添いたいと願い、事件に立ち入ることを躊躇いながらも、一家の名残をたどり、断片を繋ぎ合わせていく……。

アイダホっていう響き、いいよね、と普段からよく口ずさむ。アイダホ。ちょっぴり滑稽なイメージだ、アイダホ。

そして、そんなイメージとは、全く異なった印象のこれ。

全編から漂う、悲しみ、憂い、罪悪感の、静かながらも圧倒的な存在感よ。

読みながら「こうなったらいいな」という想像が、最後に全て叶ったわけではないが、心がホッとする終わり方でよかった。