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【読んだ】沼の王の娘

拉致監禁犯の男とその被害者のあいだにできた娘―それがわたしだ。原野の沼地で生き抜く術を熟知した父を太陽のように崇めながら、12歳まで電気も水道もない小屋で育った。そう、あの日までは。そして今日、終身刑の父が看守を殺して逃走した。父を捕まえられる人間がいるとしたら、父から手ほどきを受けたわたし以外にいない。父と娘の緊迫の心理戦、究極のサバイバルゲームがいま始まる!

父に学びながら、自然と共に生きる描写は、親子愛を感じるものだったけど、要所要所でやはり父は不穏。頭おかしい。

娘の方も「伴侶はどこからか拐って来る必要がある」とか思っちゃってて、文明社会の常識ゼロ。

監禁者である男に怯え、娘は男を崇拝し、監禁生活を終えた後も、娘と穏やかな交流をする事が出来なかった母親が可哀想。物語の中では名前すら出て来ず可哀想。

成長して母親になった娘が、母親の心情を少しだけ慮る描写が救い。そして、もっとおもんぱかれ。

沼の王の娘 (ハーパーBOOKS)

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