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【読んだ】蜂工場

そこはスコットランドの小さな島。海岸沿いの家では16歳のフランクが、学校にも
行かずひっそり父と暮らしていた。彼はある日、精神病院にいるはずの兄エリック
が脱走したことを知る。かつてエリックは犬を燃やすなど異常な行動をとっていた
のだった。直後にかかってくる電話。「おれだ」「殺してやる! 」

ネタバレあらすじ

戸籍もなく、学校へも行かず、幼児性を抱えたままのフランク。子どもじみた残虐さ、おまじないに執心し、小動物を殺戮して、自身の生活の平穏を保とうとする。

幼い頃に飼い犬に生殖器を噛み切られたと思っていたが、実はそれは父の実験で、生殖器を噛み切られた事実はなく、女子なのに男子と思い込まされていた事が物語の終盤で発覚する。フランクの暴力性は男性ホルモンの過剰な投与の結果であることも考えられる。

不安定な、非常に不安定な自我を抱えた結果、まぢかに弟やいとこたちの成長を見ていたくなかったのかな?殺害の理由。

 

この物語に関する情報収集の段階で、どっかのばかたれの、なんの前触れもないネタバレブログを読んでしまったので、醍醐味は半減。

 

自身は執心のために小動物を殺しまくるが、

兄のエリックが精神病院から逃げ出して、

子どもを傷つけたり、犬を燃やす心配をするのがなんだか可愛らしい。

 

私は幸せな終わりが好きなので、

フランクは真実を受け入れて、ゆっくりながらも、穏やかな日常を取り戻していくに違いない、と前向きに捉えている。

 

フランクが小動物に残酷なことをする描写は、「にんじん」でにんじんがモグラにあれこれする描写に重なった。

蜂工場 (ele-king books)

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にんじん (新潮文庫)

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