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【読んだ】三つ編み

3つの大陸、3人の女性、3通りの人生。唯一重なるのは、自分の意志を貫く勇気。インド。不可触民のスミタは、娘を学校に通わせ、悲惨な生活から抜け出せるよう力を尽くしたが、その願いは断ち切られる。イタリア。家族経営の毛髪加工会社で働くジュリアは父の事故を機に、倒産寸前の会社をまかされる。お金持ちとの望まぬ結婚が解決策だと母は言うが…。カナダ。シングルマザーの弁護士サラは女性初のトップの座を目前にして、癌の告知を受ける。それを知った同僚たちの態度は様変わりし…。3人が運命と闘うことを選んだとき、美しい髪をたどってつながるはずのない物語が交差する。文学賞8冠達成!全国図書館協会賞、グローブ・ドゥ・クリスタル賞(文学部門)、「ルレイ」旅する読者賞、女性経済人の文学賞ユリシーズ賞(デビュー小説部門)、フランス・ゾンタクラブ賞、全国医療施設内図書館連盟賞、ドミティス文学賞

インド。うんこを片付ける仕事を一生続けることが、現代にまだあるのかよと驚いた。

トイレの汲み取りに生まれつき、汲み取りとして死ぬ。それは代々受け継がれるもの、抜け出せない円環。カルマだ。

カースト制って廃止されたと思っていたが、まだまだ根深い。根深すぎる。

カースト外の人を痛め付けて死なせるとか、全く理解ができない。

宗教から派生された思想なのも、根深さの一因か。

しかしその宗教が、カースト外の人々の、拠り所であることも事実。複雑!

物語は淡々と進む。雨が打ち付ける窓から見た風景のような感覚をうけた。

三つ編み=毛 が、最終的にどうなるかはすぐにわかったので、

あらすじにあるような深い感動とかはあまりなく、答え合わせ的に読み進めたが、

なんか、こう、魂が救われたような、清々しさは伝わった。

そして、スミタのような人のために、自分にできることは何か。

平和に呑気に暮らせることへのありがたさと、後ろめたさが胸をしめた。

三つ編み

三つ編み