私はモンキーガールと呼ばれていた。五歳の時に姉が姿を消し、大好きな兄も高校生で失踪。家族を失った心理学者の一家が、家族愛とは何なのかを問い、絆を取り戻そうとする、赦しの物語。2014年マン・ブッカー賞最終候補作。PEN/フォークナー賞受賞。
とある実験の被験者となった家族が、実験により翻弄され傷付き、また再生していく話。
姉ファーンの「いますぐうちに連れて帰って。いい子にするから。いい子にすると約束するから」に胸がぎゅっとなった。
ファーンの中には私の知らない何かがある。
ファーンのことは全部わかっていると思ったのに、そうではなかった。
ファーンは秘密をもっていて、それは何かよくないものだ。
実際アメリカで何例か行われた実験が基になっているそうです。
このお話はフィクションだけど、それがなんてひどい実験だったかとわかる。倫理がおおいに問われる。なんておこがましい。
そんな葛藤を揺さぶられる物語だったんだけど、突然「ジャングルの王者ターちゃん」が出て来て和んだ。
ターちゃんなら、この葛藤を解決してくれそうな気がする。私はぢぇーんが好き。