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【読んだ】沈黙の少女

雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟が何者かに誘拐された。2週間後保護された彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守りつづけることになる―。一方、教師のミカはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲間として加わることに成功する。それはずっと温めてきた計画の第一歩―ミカを衝き動かすのは、父親としての妄執にも似た狂おしい想いだけだった。予想を超える展開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは?黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる傑作ミステリー登場!

一人称や二人称、三人称やらで話が進むので全体を把握するのに、パズルのような埋め合わせ作業を要する。でもおもしろかった!

ミカは「彼ら」よりも上手であったと信じたい。

「彼ら」「わたし」「きみ」でそれぞれ章立てられて、

最終章が「きみ」であったことには大きな意味があると思う。

 

ネタバレ

 

読んでいるうちに、「彼ら」とミカの目の前にいる「彼ら」に徐々に違和感。

「彼ら」の秘密に気づいたときには、もう一度「彼ら」の章をむさぼり読んだ。

そもそも「狩り」に対する意識の崇高さが違う。生死への尊厳はある。

狩人たちから小児愛好者たちへ、「お前らと同じにするな、反吐が出る」みたいなシーンもあった。が。

崇高さは違っても、やってることは同じと思うけどね。

でも、狩人の「彼ら」が、小児愛好者の「彼ら」を裁いたことには胸がスッとした。

かつて狩人の「彼ら」も子どもの頃に穴に閉じ込められて、狩りをした。バトルロワイヤルさながら。

どこぞの忍者じゃないんだから、やめなさいよ。

仲間内だけでやるならまだしも(それでもおかしな話!)、部外者を巻き込むな。

 

沈黙の少女 (海外文庫)

沈黙の少女 (海外文庫)