キャッスルマン夫妻は、傍目には皆が羨む理想の夫婦。夫ジョゼフは世界に名を馳せる作家で、妻のジョーンはそんな彼を長年献身的に支えてきた。そしてこのたびジョゼフが念願の文学賞を手にし、二人は栄光の絶頂を迎える―。だが誰も気づいていなかった。二人が人には言えない秘密をひた隠していること。その秘密が夫婦を崩壊へと向かわせていたことに。
「秘密ってまさか、○○が○○○○っていう事ではなかろうな」と思っていたら、そのまさかだった。
しかしこのオチが、作者の狙ったどんでん返し、と言う訳でもないんだろう。
ミステリーでも、サスペンスでもなく、妻は「妻」であり続けたという話。