20年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、その通り魔に愛する両親を殺された柏原麻由子。だが、麻由子は当時現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。警察の調べに対し、麻由子による通り魔殺害の記憶は定かでない。はたして復讐は成し遂げられたのか―?
イヤミスだったら嫌だな・・と恐る恐る読んだ。
前回「聖母」を読んだ時に、ぺろんちょと騙されたので、あらゆる登場人物、設定を疑ってかかった。
読んでいる最中の私は、「伝染るんです」の丸ハムを運ぶ少年のような表情だったろう。
最後は切なくて、じんわりした。
本を閉じたあとは、小室哲哉を思い出した。